タグ:京丹後 ( 1 ) タグの人気記事

 

9/20 宇川日記

宇川日記 2014年9月20日

丹後へと向かう車窓からの風景は、はやくも秋の気配。山の木々も少しずつ色づきはじめているのが分かります。田んぼでは稲刈りも始まっていました。いつもであれば、ああ、秋が来たんだなあ、とのんびり感じる季節。けれど、今年は、季節が少しずつ移り変わっているということは、10月の米軍Xバンドレーダーの搬入も近づいているんだ、という思いに変わってしまう。景色を眺めていても、新聞を読んでいても、そのことを思ってしまう。国や米軍が進めていることが、自分の日常生活に深く入り込んでいる、ということ。まずもって、そのことが悔しく、嫌だなあと思う。

b0341851_19154966.jpg


今日は、穴文殊と基地建設現場にむかうまえに、集まった仲間といっしょに、周辺の集落を少し歩きました。田んぼのあぜ道をとおるときの稲穂の匂い。森のほうから流れてくる風。すこーんと抜ける秋の空。家と家のあいだの小さな路地の景色。軒先から聞こえてくる機織りの音。狭い道路を、びゅーんと飛ばして走る車。のんびりゆっくり進んでいく農業用の小さな車。そして、明らかに不釣り合いな、米軍基地建設工事のためのダンプカーの大きさ、騒音、まきあげる埃。まるで車道のそばにならぶ民家が居心地が悪そうにしているように見えました。そして、今日も静かで美しい海と空と雲。そこには車で通り過ぎるのとは違う風景が広がっていました。集落の暮らしの匂い、光、音。この風景と「米軍基地」というのはほとんどつながらない。あまりのギャップ。そんなことを感じながら、歩き、工事現場に向かいます。

b0341851_19175192.jpg


工事現場ゲート前に到着。いつもの警備員さんに、いつものように「こんにちは」とあいさつ。まわりに警察官の人たちが三名、立っている。ゲートにはコーン、そしてコーンをつなぐポールが置かれていました。

基地のほうを見る。この二週間で、また、工事がしっかりと進んでしまっているのがわかります。一番驚いたのは、ゲート前からこれまで見渡せなかった海がひろがっていたこと。こちらと海とのあいだにあったはずの木々が切られ、陸地部分が削り取られたため、海がみえるようになったからだと思います。土地が悲鳴をあげているように思いました。また、工事現場ではいくつかの建物の基礎工事が進んでいました。ざっとみただけでも3つの建物の工事が進んでいました。コンクリートの基礎がつくられ、そこから鉄筋がむき出しになっています。岬の突端部分、つまり、Xバンドレーダーが設置されるところには、避雷針つきの電信柱が乱立しています。

b0341851_1918512.jpg


b0341851_19192151.jpg


ゲート前に集まったのは8人ほどでした。ここでの抗議行動を始めて、回を重ねるごとに人数が増えていて、今回は最も多い人数です。すごくうれしい。思いを共有して、同じ場所で行動ができることは、とても心強い。そして、ゲート前でどんな行動をするか、どんなことをアピールしたいか、いろんなアイデアが持ち寄られる。

ちなみに、ゲートのすぐそばのガードレールに、収穫したばかりの稲が、乾燥させるためか、干されていました。どことなく、怒りを感じるというか、この土地の日常と基地建設工事(地鎮祭すらせずに)とのせめぎあいを感じる。

b0341851_12192943.jpg


間隔をおきながら、あいかわらず、砂埃をまきあげながら出入りするダンプカー。ダンプカーは作業用の土砂や岩、機材などを運んでいます。また、必要な資機材を運ぶ業者の車両も出入りしています。出入りする際に、「工事を止めよう」、「みんなが反対しています」、「作業をさぼろう」、「ゆっくりやろう」と、それぞれ口々にアピールをしていきます。会釈を返すドライバー、まったく無視のドライバー、あちらもそれぞれです。ドライバーさんを批判するのではなく、言葉を届けるということを続けました。

b0341851_12164528.jpg


「愛とユーモア」の持参を呼びかけたところ、いろんなアイデアが持ちこまれたのもこの日の特徴でした。

ゲート前書道教室。参加者が思い思いの言葉を半紙に書き、それを掲げるという、なんともいい感じの即興のアート的表現。

次に、指人形アピール。指人形が「基地はいらないー」、「工事やめよう」とアピール。いつもは力で私たちを排除しようとする警察官も、どう対応していいかわからなくなって、その場の空気がへなーっとなっていました。向こうのペースでなく、こっちのペースで抗議空間がつくられていく。私たちを排除するのがばからしくなるような、こっこうになるような、不思議な表現。いいなあと思いました。

そして、今日もつくられた唄。文章だとうまく伝わらないのですが、「やーじゃないか、やーじゃないか、やーじゃないか〜。米軍基地は、や〜じゃないか〜。文殊さん、見てる。お天道様、見てる。やーじゃないか、やーじゃないか、やーじゃないか〜」といった感じの、シンプルで、だれでも口ずさめる唄が即興でつくられました。唄をみんなで口ずさむ。その瞬間、ゲート前がふわーっと解放されるような気がしました。そうだそうだ、みんな、やじゃないか? 米軍ができること、基地建設工事が進んでいること、そしてこの工事に協力する仕事をしなければいけないこと、声があげられないこと・・・。やじゃないか? この唄をつくってくださったのは、第二次世界大戦を経験し、戦争や軍事基地にずっと反対され、宇川での米軍基地建設にも反対の意志を表現してこられた私の敬愛する大先輩です。

さて、その一方で、工事現場のなかから、作業員の人たちがこちらをみて、私たちを笑う、という場面もみられました。「何がおかしいんですか?」、「戦争につながる工事をしていて楽しんですか?」と声をかけていく。あの笑いの意味はどういうものなのだろう。笑うことで、彼は何をごまかしたかったのだろう。

また、いつもの大阪や京都ナンバーの車両だけでなく、山口ナンバーの車や八戸ナンバーの車の出入りがあったのが気になります。米軍・岩国基地などと関係があるのでしょうか。また、亀岡方面の、産業廃棄物を取り扱っているはずの業者が、新車の10トントラックで土砂を運んでいたのも確認されました。あの手この手で、米軍と国は工事を少しでもはやく進めようとしているのだと思います。国と米軍のあせりも感じました。

この日、警備にあたっていた警察官3人の方々は抗議行動に協力的でした。こちらの話を聞く姿勢をもち、暴力的に排除するようなことはしない、と述べていました。その一方でこんなやりとりもありました。参加者の方が、「もし米軍基地ができてしまって、米兵による事件・事故が起きてしまったときのことを考えていますか」と聞くと、「それはしっかり取り締まります」といった返事もあったそうです。それに対し、「日米地位協定を勉強したほうがいいですよ。事件・事故が起きても、米兵が基地の中に逃げ込んだり、国外に出てしまえば、日本の警察はまったく機能しない。そういう米軍がきてるんやで」と伝えたといいます。防衛省も京都府知事も、そして京丹後市長も住民の「安全・安心第一」と口を揃えて言います。しかし、現場にいる警察官は日米地位協定の内容やその運用の実態をまったく知らないのです。前々回の抗議行動の際、私たちが警察の方々に同じようなことを伝えると、若い警察官の方はむきになって「僕は米兵をちゃんと捕まえますよ」と根拠もなく言い張り、「だから事件・事故があっても大丈夫なんだ」という主旨の発言をしていました。各地の米軍駐留地で何が起きているのか、その実態が、現場の警察官にまったく伝わっていないのです。この「安全神話」ともいえるものによって、基地・軍隊の実態がみえなくなっているのではないでしょうか。

b0341851_19205162.jpg
(愛とユーモア)

米軍基地建設工事を受注している業者の管理者のような男性が、私たちの行動をみながら、しきりに電話をしていました。そして、その管理者は、車道と米軍基地を結ぶ鉄板の上に、ゲート前にコーンとポールを立てていきます。ゲートの鉄板は、二分されました。

b0341851_1921584.jpg


電話から少したって、私服警察が3人かけつけてきました。うち一人は、前回のレポートで書いた人。私服警察官のうち最も年配の男性が、こちらに向かって「おい、代表者は誰だ。話のできる代表者は誰だ」と、いつもどおり挨拶もなく(ほんとに、警察って失礼な人が多いですね)、横柄な態度で聞いてきました。「知りません」と答えると、前述の「大先輩」さんのところへ。そこでも「代表はいるか」と聞いてきたそうで、さすがの「大先輩」さんは「ここに集まっている一人一人が代表です」と答えたそうです。そのとおりだなあと思います。どこかの組織を代表して来てるわけでもないし、誰かの指示にもとづいて行動しているのでもない。一人一人が自分の意志で集まり、一人一人が代表者。

そして、その警察官は、「代表者」を見つけられず、右往左往。そのうち、なんだかいらいらしたのか、邪魔だからどけ、といったことをずっと言ってきました。前述のようにゲートの鉄板の上には、コーンとポールが置かれています。私服警察官のおっちゃんは、「コーンのなかには入るな」と言いながら、「コーンの外は、みんなの道路だから、そこには座っていい」とはっきりと言いました。「そうやね、ここはみんなの道路だから、使っていいし、座っていいんよね」と、みんなで確認。そこは、コーンの外ですが、鉄板の上。これまで小さなスペースに立つしかなかった私たちは、鉄板の上に、少しだけ、抗議の空間を広げることに成功したのです。一人一人が代表者である私たちが、空間をつくりかえた一つの瞬間でした。

b0341851_19213297.jpg


この日は、毎日新聞による取材を受けました。小さな行動にも注目をしてくださることに感謝。翌日(2014年9月21日)の朝刊にしっかりと記事が掲載されていました。少しでも多くの人に、ゲート前で抗議ができる、ということが伝われば嬉しいです。

夕方5時、工事の終了にあわせて、こちらも抗議行動をぼちぼち終了。

工事現場のかたわらに、用地提供を拒否した方の土地があり、現在、抗議の意志を示すように「平和菜園」と名付けられ、まめ畑が広がっています。平和菜園の看板にかわいいデコレーションを添えました。ぜひ、みなさんも寄ってみてください。

b0341851_19224576.jpg


b0341851_19293956.jpg


そして、ふたたびゆっくりと宇川の集落を歩きました。西の空に、大きな真っ赤な太陽が海にざぶんと沈んでいきました。こんなに大きな夕日とあざやかな日没をひさしぶりにみました。

b0341851_19231296.jpg


さて、この日は、米軍人20人、軍属70人、合計90人の赴任日でもありました。基地建設現場には到着した軍人はあらわれませんでしたが、京丹後市の市街地・峰山のホテルに、午後3時頃、到着したとのことでした。いくつかのホテルに別れて宿泊を開始しています。

(参考)
▼「米軍90人駐留開始 京都・京丹後、Xバンドレーダー整備で」(京都新聞2014年9月21日)
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20140920000144

▼「Xバンドレーダー配備計画:米軍人ら90人京丹後入り /京都」(毎日新聞2014年9月21日)
http://mainichi.jp/area/kyoto/news/m20140921ddlk26010383000c.html

宇川の住民の方とお話をしました。「これまでは宇川の問題、基地現場周辺の問題というような空気があったけれど、これで峰山の空気もかわっていく。峰山も巻き込んだ問題になっていくのではないか」といったお話でした。

帰り道、峰山の市街地を通ると、米軍人・軍属が到着したホテルには大型バスが並び、ホテル周辺を米兵と思われる人たちが夜道を歩いていました。たしかに、風景と空気は確実に変わっていくはずです。

10月には、レーダーの搬入が予定されています。はやければ、10月入ってすぐのタイミングかもしれないとも言われています。何の抗議の声もあげられず、ものが運ばれるようにしてレーダーが持ちこまれるのだけは「やーじゃないか〜」と思う。抗議の声をあげたい。おかしい、と。ばかにするな、と。いやだ、と。10月、少しでも多くの日数、ゲート前での抗議行動をつくりたいと思います。

ぜひ皆さん、10分でも、1時間でも集まってほしいです。これからも「宇川日記」をご覧下さい。

なお、以下のような集会も予定されています。宇川を訪れる良い機会だと思いますので、ぜひ足を運びましょう。

京都にも沖縄にも東アジアのどこにも米軍基地はいらない!Ⅹバンドレーダー搬入反対!9・28全国集会in京丹後
■9月28日(日)午後1時~2時40分
■会場: 宇川農業会館 (京丹後市丹後町久僧1052-1)
■集会終了後、デモ
■主催:米軍Xバンドレーダー基地反対・近畿連絡会
詳細→http://blogs.yahoo.co.jp/okasinaunion/32947570.html

「丹後に米軍基地いりません10・4府民大集会」
10月4日(土)午後2時~
京丹後市 宇川 宇川体育館(旧宇川中学)
主催・よびかけ:米軍基地建設反対丹後連絡会、米軍基地建設を憂う宇川有志の会ほか 
詳細はこちら→ https://www.facebook.com/heiwaiinkai.kyoto/posts/756205771114041

[PR]

by ukawadiary | 2014-09-24 19:15 | 宇川日記